母の日の定番ギフトであるカーネーションは、プレゼントや自宅用としての鉢植えが人気で、春の園芸店には色とりどりのカーネーションが並びます。
宿根草のカーネーションは、年ごとに美しい花を咲かせます。新しい株を育てたいとき、どのようにすればよいでしょうか?
一般的には挿し木による増殖が行われますが、種まきからもカーネーションを育てることができます。
この記事では、カーネーションの種まきの手順をご紹介します。
アサガオやヒマワリなどの一年生植物は毎年種を蒔いて育てますが、カーネーションも同様に種から育てることができます。自分で種を蒔いたカーネーションを、次の母の日にプレゼントとして育ててみるのも素敵ですね。
それでは、カーネーションの種まきの方法を詳しく解説します。
カーネーションの基本情報
- 名称: カーネーション
- 栽培の難易度(5段階評価): ★★★☆☆
- 種まきの適期: 9月から10月、気温が約20℃の時期
- 開花時期: 主に4月から6月、四季咲き種は9月から11月にも開花
- 草丈: 約10cmから30cm
- 花色: 白、ピンク、赤、黄、紫、オレンジ、青など豊富
- 特徴: 光を好む種子で、過湿を避ける性質。宿根草であること。
カーネーションの種蒔き手順とポイント
カーネーションを種から育てる際の一連の手順は、種蒔きから始まり、間引き、移植、そして最終的な定植に至るまで、段階を踏んで進めます。
- 種蒔きと移植: カーネーションの種は小さく、芽も同様に小さいため、苗が充分に成長するには、適切なサイズに合わせた複数回の移植が重要です。はじめは小さい容器からスタートし、徐々に大きな容器に移していくと良いでしょう。
- 種蒔きの最適時期: 9月から10月、気温が約20℃の時期が適しています。
- 好光性種子: カーネーションの種子は光を好み、発芽には光が必要です。
- 発芽: 種蒔きから7日から10日で発芽が見られます。
- 間引き: 発芽後は適宜間引きを行い、健康な苗を育てます。
- 移植: 本葉が3枚から4枚になると、より大きな容器への移植が必要になります。苗が小さい場合は、さらに大きな容器への移植を検討します。
- 定植: 本葉が6枚程度になると、鉢植えや地植えでの定植が適切です。鉢植えは場所の移動が容易で、季節や開花状況に合わせやすいためお勧めです。
- 冬越し: 種を蒔いてからの初めての冬は、苗が小さいため暖かい場所に置き、寒冷紗やトンネルで保護します。
準備するもの
- 種子
- 種蒔き用の容器:育苗箱、プラグトレイ(50穴や72穴程度)、ピートバンなどが適しています。
- 用土:種蒔き専用土や花用の培養土が理想的です。
カーネーション栽培の手順
種蒔きの工程
- 土の準備: 容器には3cm程度の土を入れます。
- 種蒔き: 容器で種を蒔く際には、すじまき(割りばし等で土に浅い筋をつけて種を蒔く)か、ばらまきが効果的です。種の間隔は1-5cmを目安にします。プラグトレイを使う場合は、1穴に1-2粒を蒔きます。密に蒔くと苗同士の競争により成長が促されますが、間引きが必要になることもあります。
- 土をかける: 好光性の種子なので、薄く土をかけて光が届くようにします。土を厚くかけすぎると発芽しない可能性があります。
- 水やり: 種が流れないように優しく水をやります。霧吹きを使っても良いです。
- 発芽: 種を蒔いてから7-10日で発芽します。
間引きの実施
- 間引き: ピンセットで抜くか、株元をハサミで切ります。密集して発芽した苗は良く成長します。形の良い、適度な成長を見せる苗を選んで残します。間引きのタイミングは、二葉が揃った頃と本葉が出た頃が適切です。本葉が3-4枚になるまでに1本立ちを目指します。
移植準備
- 移植: 本葉が3-4枚になったらビニールポットへ移植します。
- 必要なもの: 2.5号から3号のビニールポット、市販の花用元肥入り培養土、手袋、土入れ、竹串、割りばし、スプーン、じょうろ等。
- 移植の手順: スプーン等を使って苗を取り出し、ポットに植えます。プラグトレイを使用する場合は、竹串で苗を取り出しやすいです。苗を深めに植えると健康的な成長を促せます。
定植の実施
- 定植のタイミング: 本葉が6枚になったら鉢植えや地植えへ移行します。季節や開花状況に合わせて移動が容易な鉢植えがお勧めです。
- 鉢植えと地植えの方法: 鉢やプランターには元肥入りの培養土を使用します。地植えの場合は土をよく耕し、緩効性肥料を混ぜ込んで植えます。
- 冬越しの対策: 初めての冬越しでは、苗が小さいため、暖かい場所に置き、ビニールトンネルや寒冷紗で保護します。
カーネーションの栽培後の管理
環境の整備
- 場所の選び方: カーネーションは、日当たりと風通しが良い場所で育てるのが最適です。こうすることで、株の蒸れを避けることができます。特に初冬は、北風から守り暖かい環境を提供することが重要です。
- 水やり: カーネーションは過湿を嫌うため、土が乾いたら適宜水をやります。地植えの場合は、普段は自然の雨量で十分ですが、乾燥が続くときは追加で水やりが必要です。
- 肥料: 植え付け時に元肥を施し、その後は夏と冬を除く時期に定期的に肥料を与えます。苗が小さい間は、週に一度の液肥を施し、成長したら置き肥を使うと良いでしょう。
成長の促進
- 摘心: 茎が5-6節に伸びたら、先端を切って摘心を行います。これにより脇芽が伸び、株が横に広がり、花の数が増えます。
- 支柱の利用: 若い苗は直立しないことがあるため、支柱で支えると良いです。特に円形の支柱を使うと、花が咲いたときに美しい姿になります。
まとめ
- 栽培方法: カーネーションは通常挿し木によって増やされますが、種から育てることも十分可能です。
- 種蒔きの重要性: 本記事では種からカーネーションを育てる方法を紹介しました。秋に種を蒔き、初冬の寒さから守れば、春には美しい花が楽しめます。初年度の株はやや小さくなる傾向がありますが、寄せ植えに適しており、自分で育てたカーネーションは母の日のプレゼントとして特別な意味を持ちます。
- 種蒔きの提案: 涼しい秋の季節にカーネーションの種蒔きに挑戦してみてはどうでしょうか?