コスモスは、夏と秋に咲くさまざまな品種が存在し、種の播種は春から夏にかけて行います。一般的に、種を蒔いてから約3ヶ月後に花が咲きますが、品種によって播種の時期や花が咲く時期に違いがあります。
日本国内では、秋に多くのコスモスの名所が美しい景色を見せ、コスモス祭りなどのイベントも多く開かれます。また、地元の公園や園芸店では、夏の始まり頃からコスモスの花を見ることができます。
この記事では、コスモスのさまざまな種類、特性、そして播種のベストな時期や方法について解説します。
コスモスは栽培が容易で丈夫な植物なので、ガーデニング初心者の方にもおすすめです。
これからコスモスの栽培方法をご紹介します。
コスモスについて
コスモスは、細い茎の先に咲く5-6cmの大きなピンクや赤の花が特徴的で、風に揺れる姿が魅力的です。
コスモスの和名「秋桜」は、秋に咲く花というイメージを与えますが、品種改良により日照時間に関わらず早く咲く品種も生まれています。
夏に種を蒔いて秋に咲く従来の品種は「秋咲き」「晩生品種」「遅咲き」などと呼ばれ、春に蒔いて夏に咲く新しい品種は「夏咲き」「早生品種」「早咲き」として知られています。
コスモスの基礎情報
- 名称: コスモス
- 栽培の易しさ(5段階評価): ★☆☆☆☆
- 種まきの容易さ(5段階評価): ★☆☆☆☆
- 播種適期: 4月~9月 夏咲き: 4月~6月 秋咲き: 7月~9月
- 開花時期: 6月~11月
- 草丈: 50cm~150cm
- 花の色: ピンク、白、黄色、オレンジ、赤、紫など
- 特徴: 日光好きな種子、頑丈、長い開花期間
コスモス品種の特徴と栽培のポイント
コスモスには、夏に開花する早生品種(夏咲き)と秋に開花する晩生品種(秋咲き)が存在します。
どちらの品種も、種を蒔いてから約2~3ヶ月で開花します。
夏咲きコスモス
4月から6月の暖かい時期に種を蒔くと、夏の間に成長し、6月から10月にかけて開花します。夏に成長するため、草丈が比較的大きくなる傾向があります。
そのため、植える際の間隔は20cm程度に広めに取ることが推奨されます。早めの摘心(花芽摘み)を行うと、草丈のコントロールが可能です。
秋咲きコスモス
7月から9月に種を蒔くと、秋の10月から11月に開花します。暑い時期に種をまくと発芽率が低下することがあるため注意が必要です。
この品種の草丈はあまり高くならず、遅く播種するほど低くコンパクトな成長が期待できます。密植(植える間隔を狭くする)してもよく、その場合の推奨間隔は約10cmです。
春に播種しても短日条件になるまでは開花せず、その間は茎が高く成長するだけです。
夏咲きと秋咲きの区別方法
残念ながら、外見上では夏咲きと秋咲きのコスモスを区別することはできません。
品種は種袋に記載されており、確実に判断するには、購入する種袋の表面か裏面の説明を参照することが最良です。
苗を購入する場合は、付いている商品タグに記載されている播種時期や開花時期を確認してください。
コスモスの種まき方法
コスモスの種まき
コスモスの種をまくには、育苗箱やビニールポットで苗を育てた後、定植する方法と、直接花壇やプランターに種をまく方法があります。
種をまくとき、まだどこに植えるか決めていない場合や、いくつかの植物を一緒に植えたい場合は、ビニールポットで苗を育てると良いでしょう。
もし、植える場所や鉢が決まっているなら、直接そこに種をまいて、植え替えの手間を省くことができます。
準備するもの
- 種: 夏に咲く種か秋に咲く種を、時期に合わせて選びます(間違えないように注意してください!)。
- 種まき用の容器: 育苗するなら育苗箱や3号ポットが適しています。直接まくなら、鉢やプランターを使います。地植えする場合は、容器はいりません。
- 用土: 元肥が入っている花用の培養土を使うと便利です。
- 緩効性肥料: 元肥が入った用土を使う場合は、緩効性肥料は不要です。
種まきのやり方
- 土の準備: 容器を使うなら、用土を容器に入れます。直接まく場合は、緩効性肥料を混ぜて土をしっかり耕します。
- 種まき: 一箇所に2~3粒の種をまきます。 ビニールポットの場合は、1つのポットに2~3粒。 育苗容器や直接まく場合は、15cmくらいの間隔をあけて3~4粒をまきます。 長い容器や場所では、2~3cm間隔で種をまきますが、広い場所ではばらまきでも大丈夫です。
- 種の覆土: コスモスの種は光が好きなので、薄く土をかけます。土を厚くかけすぎると光が届かず、種が発芽しないことがあります。
- 水やり: 水はやさしくかけましょう。霧吹きを使うといいです。
- 発芽: 種をまいてから約3日で芽が出始めます。
種をまいた容器は、春は日当たりの良いところに、夏は日陰に置きます。地植えも含めて、土が乾かないように気を付けましょう。
間引き作業
育苗している間、容器や直まきの場所にかかわらず、間引きが必要です。
ピンセットを使うか、株元をはさみでカットします。
苗が密集していると互いに競争し、よく伸びます。平均的な伸び方をしている良い形の苗を残します。
すぐに1本だけにしないで、本葉が3~4枚になるまでに徐々に間引いていきましょう。
定植のタイミング
苗の本葉が5~6枚になったら、定植の時期です。
夏咲き品種では株間を約20cm、秋咲き品種では約10cmとします。
鉢やプランターには元肥が混ぜられた培養土を使用し、地植えの場合は土をしっかり耕し、緩効性肥料を混入して植え付けます。
植えた後は、水をたっぷりと与えましょう。
コスモスの管理方法
コスモスは、日光がよく当たり風通しの良い場所で育てると良いです。
- 水やりは、土が乾いたら行います。コスモスは乾燥した状態を好みます。
- 地植えの場合は、雨が降れば水やりの必要はありませんが、乾燥が続くと水やりが必要です。
- 肥料は、植え付け時に元肥を加えておけば、特に追肥は不要です。ただし、植物が元気なくなったり、葉の色が薄くなったら、液体肥料を与えます。
- 摘心は、夏咲きのコスモスの場合、草丈を低く保ちたい時に行います。摘心をすると、脇芽が伸び、花の数が増えます。本葉が6-8枚の時に、茎の先端を摘みます。夏咲きは6月中旬まで、秋咲きは8月中に摘心をすると良いです。
- 支柱を使うと、高くなった草丈が倒れるのを防ぐことができます。
- アブラムシは洗い流したり、オルトラン粒状を株元にまくことで駆除できます。
- 挿し木での増やし方 コスモスは挿し木でも簡単に増やすことができます。摘心後に伸びた新しい枝を使います。
まとめ
この記事では、コスモスの種まき時期や方法を紹介しました。
コスモスは育てやすい植物で、初心者でも手軽に栽培できます。
コスモスには夏咲きと秋咲きの種類があり、播種する時期によって適した種を選ぶことが大切です。
種の選び方を間違えると、期待した時期に花が咲かないこともあります。
夏咲きの種類が増えたおかげで、コスモスを初夏から晩秋まで楽しむことができるようになりました。
ぜひコスモスの種まきに挑戦してみてください。